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ものの見方考え方  実体のあるもの、実体のないもの

ものの見方考え方  実体のあるもの、実体のないもの

 ものには実体のあるものとないものがあります。

 例えば土や水、動植物などのように形や色のあるもの、つまり実体のあるものは、個人の認識に多少の違いがあっても、それなりの共通認識があります。ところが、自然観、世界観、宇宙観あるいは、いのちやこころとなると、そうはいきません。それらには具体的な形や色で示されるような実体がありません。実体がなく抽象的なものについて、見方や考え方を問われると私たちは戸惑ってしまいます。各自の頭の中では、それなりのイメージを持ってはいても、それは自分以外の人に伝えることのできる具体物ではないからです。「キリスト教の自然観は自然、人、ものすべて神が創造したと考えているので自然と対峙して征服すべきであるという観念が強い。一方、仏教のそれは・・・あるいはイスラム教では・・・」また、「欧米の自然観は・・・。日本のそれは・・・」などと一般論で納得することはできます。けれども、こうした表層的な論議ではなく、その認識の土台となる思い、例えば“自然は不思議で怖さもあるが畏敬の念を抱いている気持ち”や“いのちを大切にする気持ち”などは国籍や宗教を超えた共通のものでしょう。

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