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漢字で考える  言葉の音だけでは伝わらない

漢字で考える  言葉の音だけでは伝わらない

 小学校では、まず読み方や書き方を学習します。ですから、子ど もたちに「昔の日本には言葉はありましたが、文字はありませんで した」話してもピンと来ないようです。大人でも古事記や日本書紀 などの古い書物が存在することから、日本にも昔から文字があった ように思ってしまいます。文字で表せないと言葉の意味が伝わらな かったり勘違いを生じたりします。  こういう勘違いを逆手にとった 一休さんのトンチ話がありますね。「このはし わたるべからず」 と大書された橋の真ん中を堂々と渡り「はし(端)を歩かずに真ん 中を渡りました」と切り抜けるお話です。

 実際、 現在の日常会話でも、例えば、市立と私立を区別するために「いち りつ」「わたくしりつ」などと表現したり、過程と家庭あるいは仮 定を区別するためにプロセスやホーム、イフの仮定などと英語まで 持ち出したりします。こうしてみると、漢字の有用性も否定できま せん。現代の日本人は、漢字のような文字を抜きには具体物をイ メージできないのかもしれません。

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