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鏡の中の私  顔がギリギリ入る大きさの鏡を10m離れて見ると・・

鏡の中の私  顔がギリギリ入る大きさの鏡を10m離れて見ると・・

 授業で中学生に虚像と実像を説明するのに、「鏡やレンズの向こうに見える像は虚像である」と教えています。鏡の場合であれば、鏡の面を対称にした世界を考えさせます。鏡を覗けば、鏡の向こう側の世界が無限に広がっています。もっとも、その世界は目の前にある鏡を通してしか見ることができないものです。

 光の性質を理解させるのに、光の線を作図させるのですが、鏡を用いる場合は、鏡を対称にした虚像を描かせた上で、目に入ってくる光の線を描かせるようにしています。例えば、自分の顔がギリギリ入る大きさの鏡で1mのところから見ても、10m離れたところから見ても、まず虚像を描き、光の線を引くと鏡の部分の線分の長さはまったく変わりありません(数学では中点連結定理と教えます)。

 これを学習した後、定期考査で「自分の顔がギリギリ入る大きさの鏡を10m離れたところから見たときに、鏡の中に見える像を描きなさい」という質問を出題したところ、なんと9割以上の生徒が上体や全身像を解答用紙に描きこんでいました。頭では理解したつもりでも、実際には分かっていなかったようです。検証実験の必要性を実感する問題でした。
                                     fuji

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