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ピグマリオンの誤解2  単なる偶然・・・  

ピグマリオンの誤解2  単なる偶然・・・  

 実際にピグマリオン効果が知られ始めてから、あちこちで追試が行われました。それによると、成績の向上がごくわずか程度しか認められなかったり、場合によっては全く認められなかったりしました。

 「この子は必ず良くなるから信じて指導しよう」という取り組みについては何も異論は唱えません。でも「ピグマリオン効果でも実証されるように」と枕詞がつくと、「それはちょっと違うんじゃない?」と一言、言い添えようと口を開いてしまいます。他の子に比べ良くなるように指導を強化すれば、相対的に伸びるのは当然ですし、特に何もせず、期待したからこそ向上したというのは単なる偶然に過ぎないからです。

 「ピグマリオン」とは、ギリシャ神話に出てくるピグマリオン王が、自分で作った女性の彫像のあまりの美しさに恋をしてしまい、彫刻に命が宿ることを祈り続けた結果、神によって彫像に命が吹き込まれ、幸せに暮らしたというお話に由来しています。期待だけでなく、期待+努力+指導が加わって始めて「伸びた」と言える結果になるはずですが、「期待」だけで「結果」が出てしまうようにとらえることは戒めなければならないと強く思います。koku

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