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光の箱ミニがリバイバル!

  • 光の箱ミニがリバイバル!

材料

簡易保温アルミシート カラーセロハン ハガキ(写真)整理ケースなど セロハンテープ トレーシングペーパーかラミネートフィルム(110μm)

内容

・光の箱ミニを作る。
・カラーセロハンをフタに貼り,ミラーテープを屏風折りにして箱の中に詰める。
・ミラーテープで光が乱反射し,美しい光の世界が広がる。

詳細

『光の箱』は,松村泰三さんが考案された芸術作品です。キットが販売されており,誰が作ってもそれなりに美しい作品になるところが素晴らしい点です。さらに,プラカップなど,身近な容器で作るタイプを考案されたのが野呂茂樹さんです。 材料は,ミラーテープ,ケース,トレーシングペーパー,カラーセロハン,セロテープです。肝心のミラーテープは,100円ショップの銀色のラッピング袋をカットして使っていました。しかし,この袋が手に入らなくなり,光の箱作りは,長年お蔵入りしていました。最近になって,100円ショップの簡易保温アルミシート(アルミ蒸着ポリプロピレンシート)が使えることが分かったので,新たな作り方のノウハウを含めて紹介することにしました。 材料の簡易保温アルミシートは,1つで12〜19人分のミラーテープを切り出せます。ケースは変わらず,100円ショップのハガキ整理箱を使います。2種類あり,微妙にサイズが違います。 ミラーテープのサイズは,長さ300mm,幅(ケースの高さに合わせる)35mmにします。折ったまま1カットすると16枚取れます。一人分の枚数を10枚にすると19人分,16枚とすると12人分になります。枚数が多くなれば,涙型の輪のサイズが小さくなります。 カラーセロハンは100円ショップのものでも良いのですが,個人的には色がきついと感じます。それに,赤・青・黄・緑の4色しかありません。お勧めは,クラフテリオのセロハンセット7色です。透明度はやや低いですが,色合いが優しくなります。また,ピンク,オレンジ,紫色があり,重ねることでカラーバリエーションが増えます。長さ120mm,幅20mmにカットし,各色2枚の14枚を一人分とします。1セットで22.5人分取れます。 最後にトレーシングペーパーを重ねます。ミラーテープで乱反射された強い光が緩和され,なんとも言えない風合いが出ます。ただ,紙のざらつきが気になりました。そこで代わりにラミネートフィルム(110μm)を入れると,ざらつきが気になりません。ただ,味わいを取るかクリアを取るかは,人によって判定が分かれるところです。 材料のアレンジの次は,作り方のアレンジです。子ども達に作らせる際,最も手間取るのがカラーセロハンをケースの底にセロテープ止めしていく作業です。そこで,セロハンをフタの裏に貼るようにすると,作業性が格段にアップしました。 そうなると,色を映し出す半透明のシートは,ケースの底の形にカットしておき,先に入れることになります。テープ止めは不要です。 その上にミラーテープを丸めたものを入れていくのですが,1つ1つテープ止めするのが手間でした。そこで,300mmのミラーテープを軽く屏風折りにし,ケースの隅から詰めていく方法にシフトしました。2人一組になり,もう一人の人に押さえてもらいながら,折ったテープをどんどん詰めていくと良いでしょう。また,3枚を折り重ね,短辺に押し込みます。広がった隙間に次の折りたたんだテープを詰め込んでいくのも良いでしょう。涙型の輪の大きさは思い通りになりませんが,2つと同じものができない面白さが魅力です。ただ,色合いによっては,涙型が不気味さを醸し出すことがあるようです。時間がかかりますが,オリジナルのように,短く切ったミラーテープを1つ1つ丸め,テープどめして輪にする方法も試してみてください。 フタ裏にカラーセロハンを隙間なく貼り付ける際に,端にセロテープがはみ出すと美しくありません。そこで,底の形状合わせてにカットした,透明下敷きに貼る方法も開発しました。貼り終わったら底にはめ込み,ミラーテープを詰めていきます。上にラミネートフィルムを重ねてフタをすれば出来上がりです。 光の箱ミニを鑑賞するときは,太陽光よりも蛍光灯の光にかざして見た方が美しいと思います。 屏風折りで作っても,45分以内に作り上げることは厳しいものがあります。じっくり仕上げさせたいので,60分は欲しいところです。もちろん,材料をカットしたり仕分けしたりする下準備をしておく必要があります。手間がかかりますが,自分の作品の出来に歓喜する子ども達を見ていると,また作らせたくなります。 ハガキ整理箱だけでなく,100円ショップの透明ケースやチョコレート箱でも作ってみました。また,丸い箱を使って,セロハンを貼った部分を万華鏡のように回転できるタイプも作ってみました。 もう1つ,とっておきのアレンジが影絵とのコラボです。絵本から取った滝平二郎さんの影絵を,10数時間かけて切り出しました。それを,コピー用OHPフィルムに縮小コピーし,美しい光の世界の前にセットすると・・・えも言われない,カラフルな影絵の世界が広がります。簡単な切り紙なら可能でしょうが,子どもには無理かと思います。時間がかかりますが,ぜひトライしていただきたいアレンジです。 カラーセロハンは,日光に当たると色あせします。ミラーテープは,箱を立てて置くと重さで潰れてきます。観賞しない時は,箱を寝かせて,日光が当たらないところで保管するようにしてください。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 感受性 849 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
少ない
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