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ツバメの塒(ねぐら)を訪ねて

  • ツバメの塒(ねぐら)を訪ねて

材料

カメラ 双眼鏡

内容

・ツバメの大群が塒に戻る様子を観察する。
・塒(ねぐら)となる葭原(よしはら)で,日没を待つ。
・葭原の上を大群が飛び交い,やがて塒入りをすることが分かる。

詳細

 巣立ちをした若ツバメや親鳥たちは,昼の間はあちこちに散らばって餌を採っていますが,夕方には塒(ねぐら)となる場所に集まり,集団で眠ります。大群でいると目立ちますが,敵に襲われて犠牲になる確率が低くなるからでしょう。8月下旬には塒から移動するそうですが,それまで,しっかりと栄養を摂って渡りに備えるようです。  そんなツバメの塒の1つが,加古川の河口付近の中州に広がる大きな葭原(よしはら)にあります。ここにはツバメの大群が戻ってきて,その数は2万とも3万とも言われています。  夕日が西の空に沈む頃は,ツバメの姿がパラパラと見えるだけでした。日没の時刻には,その数が増えてきます。日没後5分も経てば,どんどんとその数が増してきました。ほとんどは,上流である北側から戻ってきますが,東からの戻りも確認できました。  すぐに葭原に降りるツバメは少なく,葭原の上をグルグルと旋回するように舞います。日没後15分ごろがピークでした。空いっぱいにツバメの大群が飛び交い,まるで黒い星空が広がったかのようです。人によっては,ウンカの大群のようだと表現されます。  河原にいる私の頭の上だけでなく,目の前をもヒュンヒュンと飛び交います。鳴き声が辺り一杯に広がっています。その光景は,感動的というよりも,この世のものとは思えないような,恐ろしささえ感じるほどの迫力がありました。  そのうち,何が合図か分かりませんが,スパンスパンと突き刺さるように葭原に入っていくツバメが増えてきます。あの勢いにどうやってブレーキを掛けているのか,気になるほどのスピードです。横から見ていると急降下ですが,角度を変えてみると,葭のすぐ上で水平方向に方向転換していました。そのまましばらくの間,葉先ギリギリの高さでゆっくりと場所を探し,ホバリングして葭の葉にとまることが分かりました。  西空に1番星の輝きが増す頃,うるさいほどの鳴き声が嘘のように静まり,ツバメの大群の塒入りが終わりました。全体を確認していませんが,目にしたツバメたちは皆,同じ方向を向いてとまっていました。それは,風が吹いてくる方向と関連があるようです。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 生命尊重 857
夏
川;海;
川 海
普通
普通
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