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ペットボトル噴水実験器の仕組みを調べよう

  • ペットボトル噴水実験器の仕組みを調べよう

材料

ペットボトル2本(キャップ付き),6mm(5mm)ストロー2本,6mm(5mm)ドリル,千枚通し,プラスチック(PP)用ボンド

内容

・ペットボトル実験器の仕組みを調べる。
・ペットボトル2本とストロー2本で実験器を組み立てる。
・ストローを噴き上がる空気の流れが,小穴から水を吸い込んでいることが分かる。

詳細

ペットボトルの中で,ストローの先から水が噴き上がる「噴水実験器」を作って,その仕組みを調べてみましょう。材料は,500mL炭酸系ペットボトル(キャップ付き)2本,6mmストロー2本などです。 キャップの材質はPP(ポリプロピレン)なので,普通のボンドでは接着できません。1個にプラスチック用ボンドをたっぷり塗り,背中合わせに接着します。隙間をボンドで埋めます。隙間があると,水がうまく噴き上がらないからです。1日おいて,完全に固着させます。キャップの裏の薄板が外せるタイプは,ラジオペンチで取り外しておきます。 接着したキャップに,ドリルで6mmの穴を2つ開けます。この時,穴がくっつかないようにするのはもちろんですが,縁から3mmほど離して穴を開けてください。 ストローが長すぎるので,蛇腹の方を少しカットします。端から2cmほどのところに,十字になるよう,千枚通しで4つの小穴を開けます。 キャップの2つの穴それぞれに,ストローの小穴が開いた方を差し込みます。きついので,鉛筆をグリグリねじ込んで穴を少し広げると,入りやすくなります。小穴が塞がっていないことを確認してください。 水を,1本のペットボトルの肩あたりまで入れます。ストロー2本を差し込んだキャップを,きつく締めます。このとき,接着部分が捻れないよう気をつけてください。2本のペットボトルをつないで完成です。 水が入ったペットボトルを上になるようにして置き,上のストローの先から水がピュッピュッと噴き上がれば成功です。 5mmのストローがあれば,穴も5mmにして作ってください。カットする必要はありません。口径が小さいので,より可愛く噴き上がります。また,1.5倍ほど長持ちします。 この実験器を初めて見た人は,水が噴き上がることが不思議な現象だとは気づかないようです。そこで,小穴を開けていないストローで,もう1つ実験器を組み立て,比較しながら見せるとよいでしょう。 片方は水が噴き上がりますが,もう片方は水が上から下へ流れ落ちるだけです。この違いに気づいても,小穴は外から見えないので仕組みは分かりません。子どもの好奇心が俄然高まります。 種明かしとして,キャップ&ストローセットを見せます。小穴の有無がポイントだと,すぐに気づくことでしょう。しかし,小学生では,謎解きはここまで。仕組みは,高校で学ぶベルヌーイの定理で説明できるレベルなのです。 上のペットボトル内の水は,ストローを通って下へ流れ落ちます。すると,下のペットボトル内では空気が水で押されて圧が高まり,もう1本のストローを通って上に移動します。空気の移動スピードは,細いストローを通るので速くなります(ベルヌーイの定理)。その通路には小穴が4つ開いています。速い空気の流れによって小穴から水が吸い込まれ,勢いに乗って上まで噴き上がります。これが噴水の仕組みです。 また,下のストローからは,泡が吹き出されます。これも,下へ流れ落ちる水流中に,小穴から空気が吸い込まれて起こる現象です。 水漏れや空気漏れがなければ,水は勢い良く噴き上がります。長いストローを使えば,1Lタイプの実験器を作ることもできます。 なお,キャップは,ペットボトルに付いていたものを使うようにしてください。ものによって微妙にネジ具合が違うようで,水漏れが起こることがあるからです。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 流体 運動 探究心 871 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
少し危険
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