学習障害児(Learning Disabilities)


 LDとかADHDなどと学習障害児の問題が最近良く取り上げられています。LDは教育的視点での区別ですがADHDは臨床面からの視点での分類と思われます。障害でも聾唖者や肢体不自由者は明確ですがこと脳にかかわる障害は解り難いのでその対応が困難です。知能障害は障害児学級などそれなりの手だてがなされていますが普通学級に配属されているLDやADHDと云われている児童生徒の扱いが問題です。文部科学省の15年度の統計によるとLDは6.3%となっていますが臨床心理学の人に聴くと15〜20%くらいいるでは云われました。確かにLDの定義「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聴く、話す、読む、各、計算するまた推論する能力のうち特定のものの修得と使用に著しい困難を示すもの」を読んでも良く解りません。またADHDも不注意・多動性・衝動性など、このカテゴリーも良く理解できません。研究授業の時など教室で一番前の席に座らせられている児童をLDと内々にあらかじめ教えてもらうことがあります。あらかじめ知らされていないと気づかないのにそう思って先入観でみているとそうとも思えますが、この児童よりもっとLD的な行動をとる児童が他に2−3人いるのではと感じることしばしばです。LDと云われている児童は要領が悪いだけで、健常児は先生が観ている時の反応が早いだけでみていない時の区別は困難です。やさしい先生と怖い先生での対応はどうかなと比較観察してみたくもなります。この判定のあいまいさで云うなら遺伝子型がXXである女性に対してXYの遺伝子型をもつ男性は
多動性で、病気や精神的ストレスにも弱く自殺も多い、などからほとんど全員が障害者ということもできます。診断は困難なことと思われます。学習障害の原因は何でしょう
 肢体障害者のような場合は原因を特定することが比較的に容易ですが人間のような発達した脳に関わることは因果関係を特定することは非常に困難です。シュジョウバエのような昆虫は遺伝的な突然変異によりさまざまな行動障害の変異体が得られ研究が進められていますが人間の場合は遺伝的か非遺伝的かの判定も困難な状態です。当初は微小脳損傷と言われいましたが損傷そのものはみられずしたがってその部位も特定されておりません。その後は微小脳機能障害と呼ばれていいますが名称の変更だけです。遺伝学的には生殖細胞の遺伝子に異常のある遺伝病、体細胞の遺伝子に障害のある遺伝子病と遺伝子自体には異常のない非遺伝障害とに区別することができます。遺伝病なら血縁者に同様な障害をもつひとがいるはずです。遺伝子病は例えば酒を飲み過ぎて肝臓にガンが生じたような場合でこれそのものは遺伝しません。非遺伝はたとえばサリドマイド児のような場合で薬害のために生じた手足の短い障害でこれは遺伝子には全く関係ないので遺伝子構成は正常ですので次代には伝わりません。脳の機能障害と云ってもこの遺伝的なものと非遺伝的なものがあると思われますがこの区別もデータなど入手し難く困難です。精神治療であるカウンセリングで直すことは出来ません。サリドマイド児の手足を元通りにすることは不可能です。そこで手足がみじかくても生きていける手法が問題です。脳障害は肢体障害のように眼にみえない障害なのでそれを認め治療したりトレーニングしたりする研究開発の研究が望まれます。学習の壁を認め独り立ちして生きる手段を身ににつけさせることに重点を置いてもらいたいものです。

障害の因果関係

 国立政策研究所の調査(14年度)によると学習障害など問題児の原因として過保護過干渉が第一位にとりあげられています。第二位以降の両親の不和や離婚など家庭の問題が上位を占めています。これらの子供を抱えたおかあさん方の会があります。この何人かに聞き取り調査を試みたところ、この因果関係に疑問をもつようになりました。問題児なので大きくなっても人前で非常識な行動をとるので注意せあるを得なかったのでこれを過保護過干渉と判断したのではと言うのです。他の兄弟と同様に扱い特にその子だけを特別に過保護、過干渉はしていなかったとのことでした。また、その子が原因で、こんな子に育てたのはおまえが悪いなどと自分のことは棚にあげてなじるため不和になり、離婚せざるを得なかったとの事例もありました。もちろん、育て方に問題がなかったとは言えませんが因果関係をこの報告書のように単純に結論することに対しては疑問をもっています。また、これらのお子さんと一緒に生活をさせていただいたことがあります。初めのうちは頭は働くし異常とは思えませんでした。しかし宿泊し一緒に長く生活していると時々異常に回りの状況を無視した自分勝手な行動をするのです。これは、専門の臨床医でも一緒に生活してみなければ見逃してしまう異常行動だと思われます。脳に関わる障害の判断の困難さを実感しました。
 

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