「ネコにマタタビ」って聞いたことある？僕たちネコがマタタビに目がないことから、大好物の例えやこれを使うと効果バッチリって時の例えとして使われるんだよ。実際、僕たちはマタタビをもらうとさ、なんだかいい気分になって、顔や体に擦り付けたり、ゴロゴロしたり、時には、酔っ払ったみたいになったり、ヨダレを垂らすネコもいるんだよ。ビックリでしょ？たいていはリラックスするタイプだけど、困るのは大興奮して走り回ったり噛み付いたりするネコだよ。もちろん、僕は違うよ。 でね、マタタビは、キーウイフルーツと同じマタタビ科の蔓性植物。6月〜7月頃、梅に似た小さな白い花を咲かせるのさ。花の時期には、花の近くの葉っぱが半分くらい白く変わるから、すぐにマタタビって分かるよ。マタタビには、マタタビラクトンとかフェニルエルアルコールとかいう成分が含まれていて、僕たちの口蓋の奥にあるフェロモンを感知する特別な器官が、これに反応してマタタビ反応を起こすんだ。マタタビ反応は、さっき言ったでしょ？マタタビをもらったときの僕たちのいろんな反応のことだよ。でもね、マタタビ反応には個体差があるんだ。僕は、もっぱら、お行儀の良いうっとりゴロゴロタイプ。ヨダレを垂らしたり半眼でデレデレなんかしないんだ。 それでさ、不思議なことに赤ちゃんネコとか、お腹の大きな母さんネコとかは、あんまり興味が無いんだよ。あんなに素敵なマタタビなのに！もう一つ不思議なことは、何で、僕たちがマタタビ反応を起こしちゃうか、難しい言葉で言うと、「なぜネコ科の動物がマタタビに特異な反応を示すのか」生物学的な意味がずっと分からなかったんだって。それがさ、今度、岩手大学と名古屋大学の偉い先生たちがね、僕たちの代わりに研究して、理由を突き止めたんだって。 えっへん！僕たちはね、マタタビに含まれる蚊除け成分を顔や体に擦り付けてるんだ！偉い先生風に言うとね、「マタタビラクトンという複数の成分の中に、マタタビ反応を誘起させる強力な物質ネペタラクトールがある。ネペタラクトールには蚊の忌避効果があることも明らかになったので、ネコ科のマタタビ反応は、このネペタラクトールを体に擦り付けるための行動である」そういうことだよね。だから、僕は、ただ、マタタビが大好きってだけじゃなくて、蚊除けのためにゴロゴロやってるってわけ。うーん、ただねぇ、蚊除けは赤ちゃんネコにも母さんネコにも必要じゃないかなぁとか思ってる。あっ！大人のネコや僕みたいな見習いネコは狩りに行く時、蚊に刺されるとまずいけど、赤ちゃんや母さんネコは、お家でお留守番だからかなぁ。Ane
