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梅にウグイス,本当はメジロ。花札の絵柄は,昔の人の勘違いではない!?

  • 梅にウグイス,本当はメジロ。花札の絵柄は,昔の人の勘違いではない!?

材料

デジカメ ビデオカメラ 三脚 双眼鏡

内容

・花札:「梅にウグイス」について考える。
・梅林などで,メジロの姿を見たりウグイスの鳴き声を聞いたりする。
・「梅にウグイス」の絵柄は,昔の人の勘違いで描かれたのではないだろうと考えられる。

詳細

花札を3つ購入しました。中から「梅にウグイス」を取り出すと,3つとも,同じデザインと色合いでした。 描かれている鳥の色合いに注目すると,どう見てもメジロだろ!ウグイスじゃない!間違ってる!というお叱りの声が聞こえてきそうです。 これは,昔の人が,メジロをウグイスだと間違えて思い込んだからだ。なぜなら,こんなことが起こったからだろう・・・ 梅林で,メジロが蜜を舐めながら飛び回っています。綺麗な黄緑色をしていて,目立つ鳥です。そこに,ウグイスの鳴き声が聞こえてきたら・・・ 比較的物怖じせず,姿をさらすメジロ。それに対してウグイスはシャイで,人目につかない藪の中で「ホ〜ホケキョ」と美しい鳴き声を響かせます。 目に写るのはメジロの姿で,聞こえてくるのはウグイスの鳴き声。そのため,あの黄緑色の鳥=メジロが鳴いているんだと,昔の人が勘違いしたに違いない。このように,ネットで誠しやかに論じられています。 しかし,昔の人が,そんな勘違いをするでしょうか。かつては,ウグイスやメジロは籠飼いされていたので,メジロが「ホ〜ホケキョ」と鳴かないのは,周知の事実だったことでしょう。 こう考えると,花札の絵柄が実際の様子と違っていて,それは昔の人が勘違いしたからだと決めつけること自体が,間違っているのではないかという思いが強くなってきました。 そもそも,鶯色ってどんな色でしょう。黄緑色っぽい色を,鶯色だと認識しているいる人が多いのではないでしょうか。しかし,本当の鶯色は,江戸時代から現代まで,灰色がかった茶緑色を指します。江戸時代はウグイスやメジロなどを籠飼いしていましたから,ウグイスの色とメジロの色を間違えることはなかったはずです。 対して現代人は,メジロを目にすることはあっても,ウグイスを見かけることは滅多にありません。ウグイス見ずして,その色を語るだったのではないでしょうか。 つまり,姿と鳴き声を取り違えるとしたら,それは,現代人の方なのではないでしょうか。実は私も最近まで,昔の人がメジロをウグイスだと思い込んでたんだよと,子どもたちに話していました。しかし今は,認識を新たにしています。 では,花札の絵柄をどう説明するんだ!という声が聞こえてきそうです。これについては,「梅にメジロ」より「梅にウグイス」の方が語呂が良い。 また,美しい紅梅にマッチする鳥の色として,メジロっぽい色を採用した。 つまり,メジロをウグイスと見誤ったのではなく,絵になる美しい組み合わせとして描かれたのだと考えられないでしょうか。 それは,目の色を本物とは違う赤色にしてあることでも伺えると思うのですが,いかがでしょうか。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態  探究心 918
春
山;
山
難しい
普通
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