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ピグマリオン効果  期待すれば伸びる、ほんとうに?

ピグマリオン効果  期待すれば伸びる、ほんとうに?

 学校関係者であれば「ピグマリオン効果」は誰しも聞いたことがあるでしょう。「教師期待効果」と訳されますが、教師の期待によって学習者の成績が向上することです。「この子は伸びる」と信じれば、いつか必ず成績はアップするという、教師側にとってはありがたい現象です。

 アメリカのローゼンタールとヤコブソンが1968年に「教室のピグマリオン」という本に著したことにより、一気に広まりました。ローゼンタールとヤコブソンは研究目的で、ある小学校を訪れ学級担任に「この子とこの子と…は必ず今後数ヶ月でぐっと成績が伸びるからよく注意してみておくように」と耳打ちしました。担任教師は高名な心理学者にそう言われ、「必ず伸びるはず」と信じて期待した結果、名指しをされた子どもたちは、一年後には確かに成績が向上したのです。このときローゼンタールらは、名簿を見て無作為に数名の名前を挙げたにすぎません。無作為抽出であっても教師が期待をかけて「伸びる」と信じ、指導すれば必ず伸びると大きな話題を呼びました。なお、教師が期待しない事によって学習者の成績が下がる事を「ゴーレム効果」と呼びます。  koku

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