原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

方位磁針と柱の中の鉄筋

  • 方位磁針と柱の中の鉄筋

材料

方位磁針 デジカメ

内容

・方位磁針が変わった動きをする理由を調べる。
・方位磁針を,廊下のコンクリート柱などに近づける。
・鉄筋や鉄製部品などに,磁気が残っていることが分かる。

詳細

方位磁針を持った4年生の子ども達が,廊下で方位を調べているときのことです。一人の子どもの方位磁針だけが,みんなと違う方位を差して混乱しています。私の方位磁針と交換しましたが,結果は同じでした。 その子がいたのは,柱の側でした。子ども達は,柱の中に鉄が入っているからだと騒ぎ立てました。しかし,動画のように,柱に方位磁針を近づけたり上下左右に動かしたりすると,針がクルクル動いたり,まったく反対を指すこともありました。これは,中に鉄骨や鉄筋が入っているだけでは起きない現象です。 電流が流れている導線の上に方位磁針を置くと,方位磁針の針が動くという実験があります。では,柱の中に大電流が流れているのでしょうか。ただ,柱内に電気コードが配線されていたとしても,それは交流であって直流ではありません。ですから,このような現象が起こる原因にはなりません。 やはり鉄骨や鉄筋に問題がありそうだと,ホームセンターの鉄筋に方位磁針を近づけてみました。すると,方位磁針は,柱の側で見たような動きを見せました。鉄筋が部分的に磁化されていたのです。調べてみると,工場でつくった鉄骨,鉄筋,鉄板などを移動させる際,強力なリフティングマグネットクレーンで吊り上げることがあるようです。その磁力が鉄筋の中に残り(残留磁気),部分的に磁化されたまま,柱の中に埋め込まれているということでした。 https://www.youtube.com/watch?v=f79tsqc1hCs これで一件落着かと思いきや,方位磁針が変わった動きを見せる場所や部分は,柱の側だけではないことがわかりました。例えばドア,ドアノブ,消火ホース収納庫など。これらも,製造過程や運搬過程で磁化されて,磁気が残留しているいうことなんでしょうね。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 磁気 探究心 867 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
前のページへ戻る