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サギの塒(ねぐら)を訪ねて

  • サギの塒(ねぐら)を訪ねて

材料

双眼鏡 デジカメ ビデオ

内容

・サギの生態を調べる。
・サギの塒に出向く。
・飛翔や巣作りの様子が分かる。

詳細

以前,カワウの営巣地・コロニーやツバメの塒(ねぐら)を訪れたことがあったので,今回は,サギの塒の様子を観察することにしました。ポイントは,塒へのサギたちの出入り,大量の糞による樹木の枯死の有無などです。 4月21日の夜明け前に,あるため池を訪れました。その縁にある竹林が,チュウダイサギの塒になっています。コサギ・チュウサギより大型のダイサギには,亜種チュウダイサギと亜種ダイサギの別があります。大型のサギであるアオサギと比較して,やや小さいのが前者,大きいのが後者だということです。しかもこの時期,日本にいるのは,夏鳥であるチュウダイサギだそうです。 夜明け30分前,まだ暗いのですが,小鳥はさえずりサギの鳴き声が時折ひびいていました。日の出前に,一斉にエサ場に向かって飛び立つ姿が見られることを期待していました。その後,辺りが白んできても,1羽2羽と時折飛び立つものの,集団飛翔は見られません。それがようやく見られたのは,日の出6分後でした。しかし,数は1/3ほどで,残りは日の出1時間経っても眠っているのか,塒を離れる気配はありませんでした。 以前,大きな川のほとりで見たサギの群れは,夜明け前に一斉に飛び立ちました。このような「朝のお食事タイム」の様子に違いがあるのは,地域性や気温・水温の違い,または食性の違いなどによるのかもしれません。 この塒の主は100羽以上のチュウダイサギですが,数羽のアオサギやカワウも同居しています。アオサギは,すでに巣作りを始めていました。留まっているサギも下の池の縁で,巣材になる小枝を物色しては持ち帰っていました。しばらくすると,ここがコロニーになるようです。池の対岸にあるので,近づけないのが残念です。 普段は地味なアオサギは,婚姻色で嘴や足が赤っぽく色づいて,美しい姿になっています。チュウダイサギも婚姻色で,目先が黄色から美しい緑青色に変わっているものが多く見受けられました。 塒となっている竹林は,半分ほどが茶色く枯死しています。観察中でも,サギ達が白い糞を排泄する様子が見られました。広葉樹などでは木全体が白くなるのですが,竹の場合は茶色くなるようです。隣の池には,もっと大きな茶色い竹林が見られます。かつての営巣地だったのかもしれません。 日没30分ほど前に,塒に戻るサギたちの様子を見るために,再び池を訪れました。すでに60羽ほどが帰巣していました。その後も三々五々,戻ってくるサギ達。池の対岸から観察・撮影している間に3回,急に群れが飛び立ち,塒の上を2度3度と旋回する姿が見られました。脅かすようなことはしていないので理由は分かりませんが,夕日に染まった迫力のある飛翔を見ることができてラッキーでした。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 動物 生態 動物愛護 872
春
川;野原;
川 野原
難しい
少し危険
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