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カブトムシの幼虫の蛹化,成虫の羽化が見やすい,新・人工蛹室

  • カブトムシの幼虫の蛹化,成虫の羽化が見やすい,新・人工蛹室

材料

園芸用吸水スポンジ(オアシス) 500mL(1.5L)炭酸系ペットボトル 荷造り用透明テープ 包丁 スプーン 

内容

・観察しやすいカブトムシ用の人工蛹室を作る。
・ペットボトルの透明パイプと,オアシスの土台を組み合わせる。
・幼虫や蛹の様子を,どこからでも観察することができる。

詳細

これまで,カブトムシの幼虫を,マットを入れたペットボトルの中で飼育していました(No.777)。そして,蛹になったら(蛹化)掘り出して,OHPシートを丸めた透明パイプに入れ,羽化する様子を観察させてきました。今回は,蛹になる直前になった幼虫(前蛹幼虫)が,どのようにして皮を脱いで蛹になるのか観察するために,新たな人工蛹室を開発しました。 最初の蛹室は,オアシス(園芸用吸水スポンジ)をカットして直方体を切り出し,水を含ませます。そして,長細い卵のような形の本物の蛹室を,縦半分にカットしたような窪みをスプーンで掘りました。そこに,掘り出した蛹などを横たえて観察していました。しかし,オスの場合,角を伸ばす際に底の壁に当たるため,角曲がりになる事故が少なくありませんでした。そもそも,国産カブトムシの蛹室は縦置きタイプなので,角を伸ばす十分なスペースがあります。そこで,蛹室が縦置きになるタイプを試作しました。前蛹幼虫を入れると,角も無事に蛹化しました。ただ,観察スペースが少ないのが難点です。ちなみに,ヘラクレスなどの外国産カブトムシの蛹室は,横置きタイプが多いそうです。 新たな人工蛹室は,ペットボトルとオアシスのブロックで作ります。100円ショップのオアシスを,約8×8×4cmに包丁でカットして土台とします。オアシス1個で9個の土台が取れます。水を十分含ませてから,中央にスプーンで穴を浅く掘ります。ここに幼虫や蛹の尾部がはまり込むことで安定させるためです。500mLの炭酸系ペットボトルの円筒部分を8cmの長さに切ります。1.5Lペットボトルなら4つは取れるでしょう。切り開いて余分をカットします。幼虫や蛹の大きさに合わせ,荷造り用透明テープ(約2.5cm)で固定して透明パイプを作ります。前蛹幼虫の場合,体を屈曲させて皮を脱ぐので,小さな幼虫でも直径4cm,大きな幼虫なら直径4.5〜5cmのパイプにします。これをオアシスの穴の上からグサッと押し込んで,新・人工蛹室が完成します。 マットの中の蛹室はある程度湿り気があるので,人工蛹室のオアシスも少し湿っている状態を保つようにします。中に前蛹幼虫や蛹を入れると,360°全方向から観察することができます。羽化したら飼育ケースに入れ,餌を与えて育てましょう。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 動物愛護 874
夏
室内;
室内
普通
普通
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