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小正月の行事1  まゆだまづくり

小正月の行事1  まゆだまづくり

 小正月(旧暦のお正月)には団子作りも広く行われていた行事でした。養蚕地域では団子を「まゆだま」と呼び、米粒の形をしたものと繭(まゆ)の形のものを作りました。  できあがった「まゆだま」は、2mもある柳(イヌコリヤナギ)の枝先に穂状につけ、居間や座敷に飾りました。同様に、神棚や台所、蔵、農具などの物置やトイレには、サイズの小さいものを別に作り飾ります。「まゆだま」をつける木はダンゴサシの木とかダンゴの木と言われますが、地方によっては、ヤナギでなくミズキなどの違う種類の木が用いられます。ダンゴサシの木を採りに行くのは子どもたちの役目です。団子作りや団子挿しも子どもが手伝うものでした。  行事特有の雰囲気は、具体的な作業を通して子どもたちに伝わります。ただ、ぼんやりと大人の作業を見ているだけでは身につかない大切な感覚があるはずです。今は、すべてを大人がお膳立て、あるいは市販品をそのまま使行事が多くなりましたが、その一つでも子どもに委ねる、あるいは子どもと共に行い、できるだけ豊かな経験を子どもたちにさせてほしいと思います。

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