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生物学の視点での子育て1  子育ては動物のみの現象

生物学の視点での子育て1  子育ては動物のみの現象

 子育ては、あくまで動物に見られる現象ですが、子を産み放しにするもの、保育するもの、そのあり方は多様です。ただ、産み放しといっても卵が孵り生きていける環境を選んで産卵します。  例えば魚は水中の安定した場所に、亀は砂など土中に、昆虫はそれぞれの食草の上にといったような具合です。両生類のカエルやイモリなど大部分のものは水中で産卵しますが、モリアオガエルのように樹上に産卵するものもあります。この場合も、孵化したオタマジャクシが必ず水中に落ちるように池の岸に生えている樹木に産卵しています。一般に、産卵数という点では孵化生存率の低いものほど数が多くなります。マンボウやタラ、ニシンなどの産卵数は驚くほどです。同じ魚類でも、産卵した卵を保護するものは産卵数が少ないのが特徴です。卵を保護するのはメスの場合もオスの場合もあります。タツノオトシゴなどはオスの腹腔にメスが産卵するので、必然的にオスが保育の役割を担います。鳥類は卵生ですが子育てし雛が巣立つまでは保育します。こうして考えてみると、多くの動物では雌雄協働で保育していることがわかります。ところが、この進化の上位に位置する哺乳類になると、その多くはメスが保育するようになるのです。

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