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節分の豆まきはフジの実が最適?

節分の豆まきはフジの実が最適?

 2020年の流行語大賞にもノミネートされた大人気のアニメ「鬼滅の刃」。家族を鬼に殺された少年が、鬼と化した妹を人に戻す方策を求めて鬼と戦うストーリーです。作中、強大な力を持つ鬼が嫌う植物としてフジが描かれます。一年中、フジの花が咲く山があり、その山は「藤の花の牢獄」と呼ばれ、鬼が出ることのできない結界の役割を果たしているのです。もちろん、現実には、フジの花が一年中咲くなんてことはありません。4〜5月頃、薄紫の美しい花が咲き、花後に、フジがマメ科の植物と証明するような10〜20cmほどのサヤがたくさん実ります。始めは緑ですが、9月下旬になると灰色がかった茶色に変わります。作中で、なぜ鬼がフジを嫌うのか明らかにされていません。読者の推察として、さまざまな意見がありますが、その一つに、フジには毒性があるからという解説があります。調べてみると、フジはウィスタリンという成分を含み、これが、下痢や腹痛、吐き気などの原因となるようです。  実は、私は子どもの頃、フジの実をよく食べていました。当時の私の生家は、のちにスキー場になる山の麓。近隣に文具店など無く、小学校の購買部で文具を販売していました。そして、その販売担当は高学年の女子でした。他の児童より1時間早く登校。冬場は、とても寒いので教頭先生が火鉢を用意し、ときには、おもちやスルメを焼いてご馳走してくださいました。(半世紀前のエピソードです。今では考えられませんね) 私たちも、登校時に冬枯れの道沿いでフジの実を採取しました。固いサヤとサヤをぶつけて割ると、バチンと大きな音がして、中からツヤのある、平たくて茶色いまだら模様の豆が飛び出てきます。これを火鉢で炒って食べるのです。 見た目は大きめのレンズ豆、味はコクのある大豆といったところです。  あっ!フジの実!鬼退治の豆まきにもってこいではないですか!!                       Ane

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