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コオロギが地球を救う?

コオロギが地球を救う?

 世界的な人口増加で、肉や魚の消費量が増え続け、早ければ2030年には世界中でタンパク質の供給が需要に追いつかなくなると言われています。いわゆるタンパク質危機ですね。やがて訪れる食料危機を見据え、FAO(国連食糧農業機関)は、栄養価が高く環境への負荷が少ない昆虫食を推奨しています。  少しばかり硬い書き出しになりましたが、ここから先は昆虫食についてのお話です。昆虫食と言えば、これまでは、「ゲテモノ食い」あるいは「地方の伝統食」というマイナーなイメージが一般的でしょうか。ところが、現在、昆虫食は驚くほどの広がりを見せています。大手パンメーカーの販売したコオロギフィナンシェ、コオロギバゲットは発売2日目で完売。数量限定での再販売は即売り切れ。また、「コオロギは地球を救う?」のキャッチコピーと共に売り出されたコオロギせんべいは、あまりの好評に一人2袋限定となる大人気。これらの商品は、いずれも徳島大学が研究開発したフリーズドライ(フタホシ)コオロギパウダーを使用しています。フタホシコオロギは飼育がしやすく低コスト、しかも味が良いのが理由だそうです。 …ということで、一番人気のコオロギせんべい、食べてみなきゃ始まりません。購入者の多くが、サクサクしたエビせんべいのような食感で、♪やめられない、とまらない♪味と熱っぽく勧めます。ほんとかなぁ? たった一袋のコオロギせんべいを入手するために店舗を三軒はしご!確かに大人気。貴重なコオロギせんべい、さて、いかに?袋越しの見た目は、まさしく質の良いエビせんべい。袋を開けると香ばしく食欲をそそります。薄くて軽い、コオロギ感ゼロです。表面が少しザラザラしています。これがコオロギパウダーかな?いやいや、これ、ほんとにエビせんべいですよ。  近い将来、タンパク質危機の時代には、昆虫食が当たり前となっていくのかもしれません。まだ、コオロギが地球を救うとまではイメージできませんが、コオロギせんべいは、昆虫食に慣れるための始めの一歩となりました。         Ane

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