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チューリップバブル 球根一つで家が建つ!

チューリップバブル 球根一つで家が建つ!

 春の花の代名詞のようなチューリップ。原産地は中央アジア〜北アフリカ。トルコ語で、ターバンを意味するチューリパが語源とされています。確かに、花の形が頭に巻くターバンに似ている気もしますね。  さて、チューリップの球根を初めて手にしたフランスの植物学者カルロスさんは、希少な植物として国内に紹介するとともに、栽培、研究に適したオランダに移住します。もともとは、ただの興味から始めた栽培でしたが、異国情緒あふれるチューリップは、貴族や富裕層に瞬く間に大人気。球根を配るカルロスさんは一躍、大金持ち。というのも、チューリップは、赤や黄色の普通のチューリップが、翌年、複雑に混じり合う模様になったり、まるで炎や羽の模様に変わったりと突然変異を起こしやすい花でした。実は、この現象は、アブラムシが運ぶウィルスが原因なのですが、当時はそれが分からず(原因究明は20世紀、電子顕微鏡の出現を待たねばなりません)、人為的でない変異種は、まるで魔法のようで、人々に珍重されました。そうこうするうち、品種を花色で選別、ランク付けが行われるようになりました。当時の最高ランクは、「無窮の皇帝」という大層な名前で呼ばれ、球根一つで家一軒分に相当しました。その後も、ドイツ、イギリスの資産家や、オランダの一般市民も巻き込み、チューリップの球根が投機の対象となりました。どんどん高値で取り引きされ、チューリップバブル到来です。ところが、数年後、何の前触れもなく、突然、その価格が暴落。ごく一部の商人を除き、多くの人が一文無しとなってしまいました。 …あらまぁ。17世紀なら、大邸宅が20軒建てられるなぁと…色とりどりの庭のチューリップを眺めているのは私だけ? Ane

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