原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

日焼けを防ぐしくみ  へぇー日焼けクリームって反射も吸収もしているの?

日焼けを防ぐしくみ  へぇー日焼けクリームって反射も吸収もしているの?

 ヒトの目で見ることのできる光を可視光線と言いますが、紫外線は可視光線よりもさらに短い波長で、目には見えません。皮膚に紫外線が当たると、その一部は皮膚の外側の角質層で吸収・散乱されますが、多くは表皮細胞に作用して真っ赤な紅斑(こうはん)を起こします。その後、表皮の最下層でメラニンという黒褐色の皮膚色素が形成され、これが表皮内に分布すると色素沈着を起こします。そうです。これが日焼けです。  日焼けを防ぐクリームには紫外線散乱剤や紫外線吸収剤が使われます。紫外線散乱剤には酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物が使われていています。これらの物質は紫外線を散乱・反射するので皮膚を守ります。金属酸化物の粒が小さいほど紫外線の散乱に効果があります。これに対して紫外線吸収剤には安息香酸(あんそくこうさん)誘導体などの紫外線を吸収する化学物質が使われています。紫外線吸収剤に紫外線が当たると、光エネルギーを分子内に吸収して皮膚の内部へ進入するのを防ぎます。  日焼けを防ぐ方法として、紫外線の反射と吸収という対極の方法が用いられているのは面白いですね。

前のページへ戻る