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「外道」?!私のせいじゃありません。

「外道」?!私のせいじゃありません。

 釣りをする時、ターゲットでない魚が釣れることがあります。この期待外れの魚のことを、釣り人は「外道」と呼びます。釣り人が選ぶ外道ワースト5の常連にボラという魚がいます。ボラは外道ですが、とても引きが強い魚としても知られています。釣り竿に、「どんな大物?!」「なんだ?!なんだ?!」とワクワクしてリールを巻き、魚影が見えた途端にボラと分かると意気消沈。ボラに罪はありませんが、期待した分、ワクワク感と時間とエサを返してと思うのは釣り人あるあるです。この時に釣れるボラのサイズは30cm〜50cm。十分に大物です。釣りごたえがあって大物。それなのに、外道扱いなのは、ボラが、臭くて食べられない魚と認識されているからです。ボラの卵巣を塩漬けにしたカラスミは、高級食材として珍重されていますが、ボラ自体は全く人気がありません。  江戸時代は高級魚として馴染みのある魚でした。また、今でも、沖合で釣れる大型のボラや冬季に釣れる寒ボラは美味しいと評判です。    では、なぜ暖かい季節の漁港や河口などで釣れるボラは臭いのでしょう。ボラは、海底に溜まった藻などを食べる魚です。そのため、海底が澱んでいると、それを食べるボラもヘドロ臭くなります。ボラは、海の汚染度を反映する魚なのです。高度成長期の昭和40年頃から、ボラは、どんどんヘドロ臭くなり、いくぶん水質が改善してきた今も、ボラは臭いというイメージのままです。ボラを外道にするのも、ボラを外道から格上げして高級魚にするのも、人間次第ということですね。Ane

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