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自然界のいじめ2  早い者勝ち

自然界のいじめ2  早い者勝ち

 多くの動物は成育するうえで、テリトリーと言われる縄張りを持っています。テリトリー内では自分たちに利益になるものは歓迎し、不利益な物はその進入を拒否しようとします。テリトリー内のトラブルと言えばサルの仲間がよく知られていますが、飼育動物でも見られる現象です。  私の子どもの頃、家ではニワトリをたくさん放し飼いにしていましたが、キツネやイタチなどに食害されないために夕方には鶏小屋に入れなくてはいけません。この時、鶏の間で場所取りをめぐって喧嘩が起こります。新入りの鶏をその場から追い出そうと激しくつつく様子は、どうみても「いじめ」でした。けれども、いったん順位が確定し自分達より低い位置に追いやると、それ以上のつつきは起こりません。飼育箱で何羽も入れて飼う場合にも新入りがいじめられます。強い弱いでなく、その飼育箱に先に住んでいた個体(飼育箱に先に臭いをつけた個体)が優位になります。したがって一緒に入れるときは新しい巣箱に入れていました。これらのことは後年、つつきの順位とか行動学の本を読んで、なるほどと納得したものです。

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