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生物学の視点での子育て2 哺乳類の子育て

生物学の視点での子育て2 哺乳類の子育て

 幼稚園の園長兼務の時、幼児の遊びの男女差を調べる目的で行動調査をしたことがありました。そのときの経験では、一般に男児は最初に始めた遊びを中断し、興味を抱いた別の遊びに加わり、また最初の遊びに戻って来るというような浮気性が見られました。対照的に、女児は一つの遊びに集中する傾向が見られました。もっとも、これは遊びの質にも関係するでしょう。男児の好む遊びはボール遊びを始めとして準備があまり要らず、始めるのも終わるのも簡単です。一方、女児の好む「おままごと」などは準備や片付けも遊びのうちで、始まりにも終わりにも一定の時間が必要です。遊びの準備や片付けに時間がかかるものは集中せざるを得ないという面も無視できません。

 今でもそうだと思いますが幼稚園の保育士は女性が多く、男性の保育士はあまり多くありません。当時の女性保育士と男性保育士の指導にも性差があり、そのことを印象深く思ったものです。例えば女性の先生は、遊びのあとの片付けをそのつど厳しく指導します。男性の先生は、最後に片付けをさせるまでは途中に何も助言も指導も行いませんでした。これらを一般化するには無理があるかもしれませんが、一つの傾向として興味深いものです。少なくとも、男性保育士の指導の仕方は男の子の浮気性の遊びには適しています。

 もちろん、男児の中にも女児と混じって「おままごと」に夢中になる子もいます、また、私の知人の女性は幼少時の遊びがほとんど男児同然だったと言いますから、性差も絶対的なものではありません。また、私の印象ではものを欲しがるときの男児の反応は衝動的で、見るものをすぐに欲しがり、また違うものをみるとまたそれも欲しがります。それでいて手に入れて遊ぶとすぐに飽きて放ったらかしにします。女児の反応は慎重で、長く大事にする傾向があるように思いました。これも前出の知人は男児の反応と同じだと言い切りますから、個人差は間違いなくあります。いずれにしても、私の経験を含む幼児の男女差を、幼児の行動に照らし合わせてまとめたものがあります。それを見て、男女差があるかどうか、自分はどうだったかなどと思い起こすのも面白いのではないかと考えます。参考にしてください。

*子ども用男性脳・女性脳の傾向性
(男性脳)
1 積み木を立体的に積むのが好き
2 絵は車や飛行機を良く描く(俯瞰構図)
3 声をかけたらすぐにその方向を向く
4 コマ回しなど活動的な遊びが好き
5 動物や虫が好き
6 落ち着きが無く良く走り回る
7 飽きやすく一つのことを長く続けることが苦手である
8 気になることがあるとそれが解決するまでこだわる
9 喧嘩を良くする

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