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信頼性ホルモン1  オキシトシンが母子の絆の第一歩

信頼性ホルモン1  オキシトシンが母子の絆の第一歩

 出産や授乳を促進する「オキシトシン」というホルモンがあります。  オキシトシンは子宮収縮ホルモンとして分娩の時期を調節する物質で、視床下部で合成され脳下垂体から分泌されます。授乳期にも分泌されるオキシトシンは、母子の結びつきに重要な役割を果たしています。古い言い回しですが「お腹を痛めた子どもは可愛い」「母乳が愛情を育くむ」といったことは、ただの印象ではなく、科学的な根拠があるのです。  2005年、オキシトシンが「信頼に関わるホルモン」と考えたチューリッヒ大学の研究者たちは、128人の被験者を対象に「信頼ゲーム」という実験を行ないました。被験者たちは投資家の役になり、受託者に資金を投資すこともできるし、自分で全額を持っていることもできます。その際、被験者たちを二つのグループに分け、一方のグループにはオキシトシンの水溶液を嗅がせ、もう一方のグループにはオキシトシンを含まない水を嗅がせます。オキシトシンを嗅いだ投資家役の被験者が、投資契約を結ぶ割合が高くなるという有意な結果となりました。現在では、こういった研究結果からオキシトシンを信頼性ホルモンと呼んでいます。

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