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風船の中の水と水蒸気の平衡状態(水の循環モデル)

  • 風船の中の水と水蒸気の平衡状態(水の循環モデル)

材料

500mL丸底フラスコ,沸騰石,カセットガスコンロ,金網,フレキシブルスタンド(鉄製スタンド),風船(100円ショップ,22cm,ネオンカラー)

内容

・風船の中で水蒸気が水に戻る様子を観察する。
・沸騰したら風船の口を丸底フラスコの口にかぶせて弱火で加熱し続ける。
・加熱で水蒸気が発生する現象と冷却で水蒸気が水に戻る現象のバランスが取れて平衡状態になる。

詳細

 No.87「フラスコに吸い込まれる風船」 No.208「フラスコから出てくる風船」の実験をすると,子どもから必ず「このまま加熱し続けるとどうなるの?」という質問が出ます。誰もが考えることかもしれません。しかし「風船が破裂するか,口が外れて飛び回って,熱い湯の雫を撒き散らすだけ」「危ないから,風船が膨らみ始めたらすぐ火を消してね」これが,これまでの対応でした。でも,本当はどうなるんだろうと気になってやってみると,以下のような意外な結果が出ました。  まずは,風船を水蒸気で膨らませます。50mLほどの水を入れた500mLの丸底フラスコを実験用ガスコンロにかけ,沸騰させます。火を消し間髪入れず,大人が(熱いので)フラスコの口に風船(22㎝)の口をかぶせます。ゴムの端を引っ張って,風船本体が中央に来るようセットするのがコツです。膨らんでいた風船が萎んだら,端をつまんで上に軽く引っ張っておきます。中に吸い込まれそうになるので,頃合いをみて指を離します。すると,パン!と音をたてて風船が吸い込まれ,中でどんどん膨らんでいきます。しばらく沸騰させていたので,中の空気が追い出されています。冷えて水蒸気が水に戻ると内圧が極端に低くなり(ほぼ真空),大気圧で口から空気が入り込んできます。再度点火すると,風船はまた外に顔を出します。水と水蒸気の関係がわかる,子どもに大人気の実験です。  風船がポン!と顔を出したら,弱火にして加熱し続けます。風船は少しずつ膨らんでいきます。破裂するのか?飛び回るのか?十分に膨らんだ風船の内面に大量の水滴がつきます。そして,水が筋を引きながらフラスコの中に戻っていきます。つまり,コンロの過熱が水を水蒸気に変化させ風船が膨らみます。しかし,外気温に冷やされて風船の中の水蒸気が水に戻ります。この2つの動きのバランスがうまく取れて平衡状態となり,破裂・飛び回ることはありませんでした。  これは,水の循環(水→水蒸気→雲→雨)モデルとしても使えるのではないでしょうか。  ただ,風船が破裂したり飛び回ったりして熱い湯の雫をばらまかないとも限らないので,子どもたちには,離れたところで安全メガネをかけて観察させるようにした方がよいと思います。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) フラスコに吸い込まれる風船 フラスコから出てくる風船

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 熱,物質の状態 探究心 793 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
少し危険
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