ツクバネの種子 木工ボンド プラグトレー 綿
・ツクバネの種子が回転する仕組みを調べる。
・緑色の種子を採集し,乾燥・補強して標本を作る。
・羽根に反りとひねりがあるので,回転することが分かる。
ツクバネの種子は,飛ぶ種の仲間です。羽根つきの羽根に似ているので『衝羽根』と名付けられたという説と,この種子を手で衝いて遊んだことが羽根つきの始まりだという説があるようです。羽根のようなものは苞(ほう)ですが,これを翼に見立てて翼果とも呼ばれています。 渡辺さんに初めて見せてもらった時,私は驚きました。ポンと高く投げ上げると,勝手に高速回転しながらゆっくりと舞い降りてきたのです。回転する仕組みを知って衝撃を受けました。 4枚の羽根は大きく下に反り返っているので,落下する時に空気を押さえ込みます。そして1枚1枚にひねりが加えてあるので,自動的に回転が生まれます。さらに,回転する遠心力で羽根がさらに大きく広がり,落下スピードに大きくブレーキをかけるという仕組みです。まさに自然の妙です。 ツクバネは,神社の境内などで見られます。葉で光合成をしていますが,根は他の木に寄生して養分を吸収しているので,半寄生植物と呼ばれています。実物は,意外なほど低木です。そんな低い位置から種子が落ちても,翼果と言えども種子を広範囲に散布できるとは考えられません。何か他のメリットがあるのでしょうか。 翼果をちぎり取って持ち帰り,標本にしましょう。種まき用のプラグトレー(1枚90円)などに入れて乾燥させます。そのままでは穴が深すぎるので,羽根の反りとひねりを保存するため,ちぎった綿片を入れて底上げをしました。 こうして2〜3ヶ月,室内で乾燥させると,翼果は茶色く軽くなります。1つ1つ投げ上げて飛行テストをします。回転しながらゆっくりと舞い降りてくるものを選抜します。羽根の付け根が折れて取れやすいので,木工ボンドで上から下から補強します。乾いたら再度飛行テストをして完成です。 まるでヘリコプターの羽根のようなつくりに感心するばかりです。たくさん標本を作り,子どもたちに自然の傑作をプレゼントして,感動を共有したいと思っています。
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生物 | 植物 | 探究心 | 882 | 秋
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室内;山;![]() ![]() |
普通
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