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飛ぶ種(たね)で遊ぼう4 ツクバネ

  • 飛ぶ種(たね)で遊ぼう4 ツクバネ

材料

ツクバネの種子 ビーズ(8mmか10mm) クラフトペーパー(1cm×15cm) トラス小ねじ(2mm×15mm) 

内容

・種子(たね)はどうして翼を持つのだろうか考える。
・種子(たね)の飛び方を観察する。
・少しでも遠くへ種子を飛ばすような工夫がなされていることが分かる。

詳細

動くことのできない植物は,種子の形で移動し,その分布域を広げていきます。種子が親の植物から離れていく方法には,以下のように,いくつかのタイプがあります。鳥や動物に食べられるもの。動物の体にくっついて運ばれるもの。水に浮かんで運ばれるもの。風に飛ばされるもの。 風に飛ばされて運ばれる種子は,いろんな飛ぶ道具を持っていて,ゆっくり風に乗って落下していきます。ツクバネの種子(No.882)には,4枚の羽根のような苞(ほう)が付いています。これを翼に見立てて,翼果とも呼ばれています。4枚の羽根は大きく下に反り返っているので,落下する時に空気を押さえ込みます。そして,羽根1枚1枚に少しひねりが入っているので,自動的に回転が生まれます。さらに,回転する遠心力で羽根がさらに大きく広がり,落下スピードに大きくブレーキがかかるため,ゆっくりと舞い降りてくるという仕組みです。 ツクバネの自動回転を再現しようとして,これまでは2枚の付箋でモデルを作っていました。まず,2枚の付箋(12mm×75mm)を少しずらして,粘着部分を重ねます。これで,ひねりが入ったことになります。次に付箋を指で挟み,下から上に軽くしごいて反りを付けます。付箋を重ねた部分にクリップを付けてできあがりです。 上に放り上げると,反りとひねりによって自動的に回転し始めます。さらに,遠心力によって羽根が大きく広がり,ゆっくりと舞い降りてきます。子どもたちは,これで大喜びです。しかし羽根が2枚なので,ツクバネの種子モデルとしては満足していませんでした。 そこで,羽根を4枚にすることをベースにして,新たなモデルを開発しました。種子は,本物のような縦線が入ったビーズ(8mmか10mm)。羽根は,比較的丈夫で反りやひねりを入れやすいクラフトペーパー(1cm×15cm2枚)。それをビーズに固定するボルト・ナット(トラス小ねじ2mm×15mm)が材料です。羽根の真ん中に,千枚通しでねじが通る穴を空けます。穴を中心にして,1cm幅で谷折りにします。ビーズと90°に重ねた2枚の羽根を貫くようにしてねじを通し,ナットで固定します。羽根の左半分を1枚ずつ親指の爪と人差し指の腹で挟んで下から上へとしごき,反りとひねりを加えてできあがりです。 4枚の羽根をたたんでつまみ,上に投げ上げてみましょう。ねじに重みがあるので,4m以上投げ上げることができます。教室では高さが足りず,天井にぶつかってしまいます。踊り場や吹き抜け,大人数の場合は体育館などで,自然の妙をじっくり楽しんでください。 ツクバネの種子の実物は手に入りにくいのですが,そっくりモデルで,翼果のつくりの素晴らしさを体感することができます。また,くるくる回転しながらゆっくり舞い降りてくるうちに,風に乗って遠くまで運ばれていくであろう種子の様子を,思い浮かべることもできると思います。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 植物 探究心 894 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
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