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口腔の容積変化で,アイウエ・ボール!

  • 口腔の容積変化で,アイウエ・ボール!

材料

紙笛(100円ショップ) PVCボール 唇の絵

内容

・アイウエオなど,違う言語音を発声する仕組みを調べる。
・シングルリードとPVCボールで,発声器官モデルを作る。
・唇の開き方だけでなく,口腔の容積を変えることで,違う言語音を発していることが分かる。

詳細

私たちは,ア,イ,ウ,エ,オと言語音を変えるために,唇の開き方を変えています。これは,「Diemut Strebe: The Prayer」(https://www.youtube.com/watch?v=QVppMtO7LHA)を見ると,納得がいくでしょう。それを確かめるために,広島の土肥さんが考案された方法と,愛知の緒方さんが開発さえた「ぞう笛」を使って実験してみましょう。 風船を大きく膨らませます。水風船の先を口の中に入れます。音を出しながら,唇の形をア,イ,ウ,エ,オと変えると,音(声)が違って聞こえます。 土肥さんは,唇だけでなく,口腔の容積(口の中の空洞の広さ)を増減させることでも言語音を変えていることを示すために,「愛飢え男・アイウエオタコさん」(https://ameblo.jp/hamgon1971/entry-12530730344.html)を開発されました。ピストンを押すと筒の中の容積が変わり,それに応じて音も変わります。 これは,目からウロコの科学工作です。実際に自分の口で試してみても,ア,イ,ウ,エ,オと発音するごとに,唇の開き方だけでなく,口腔の容積が変わっていることが分かります。そ〜なんだ! 子どもにとってストロー笛は,作るのも鳴らすのも意外に難しい工作です。そこで,発声の元である声帯の代わりに,100円ショップの紙笛の部品を使うことにしました。プラスチックの部品にはシングルリードが含まれていて,息を吹き込むとリードが振動してブ〜〜と音が出ます。口腔の代わりはPVC(塩化ビニール樹脂)製のボールです。空気を入れる部分を丸く切り抜き,反対側に唇の形にハサミで切って穴を開けます。EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)などで形取った唇の型を,両面テープで貼り付けます。シングルリード部品を唇の方から差し込み,丸穴からリード部分を出して,発声器官モデルのできあがりです。 ア,イ,ウ,エ,オで,口腔の容積が最も大きくなるのがア,続いてオ,エ,イ,ウの順に小さくなっていきます。リード部分を口にくわえ,両手の親指・人差し指・中指でボールを保持します。息を吹き込みながら親指でボールを潰すようにして,前述のように口腔の容積の大小を変えます。すると,ア,イ,ウ,エ,オというように,明らかに違った言語音が聞こえるでしょう。 この実験によって,口腔の容積を変化させることで,違った言語音を発音していることが分かります。また,口腔の容積を変化させるために,舌が重要な働きをしています。この舌の動きの一部を,主に親指でボールを押しつぶすことで再現しています。 実際の発音は,唇の形と口腔容積の変化だけでなく,歯や歯茎,舌の動かし方も重要な要素です。これについては,モデルとして再現できていません。しかし,アイウエ・ボールは,言語音を発音すること,様々な声や音を発声することの仕組みに,興味をもつきっかけになるのでないでしょうか。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 探究心 896 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
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