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心臓と血管・血液モデルを作って,血液循環の仕組みを調べよう

  • 心臓と血管・血液モデルを作って,血液循環の仕組みを調べよう

材料

灯油ポンプ,透明チューブ,人工イクラ,食紅黄,水道補修シールテープ,布ガムテープ

内容

・血液循環の仕組みを調べる。
・心臓と血管・血液モデルを作って動かしてみる。
・心臓の働きで,血液が体内を循環していることが分かる。

詳細

小学校6年生の理科の教科書には「血液は,全身の血管の中を,絶えず流れています。」「心臓は,縮んだり緩んだりして,血液を全身に送り出すポンプのような働きをしています。」「心臓から送り出された血液は,血管を通って全身に運ばれ,再び心臓に戻ります。」とあります。 それを再現するモデルが備品にあるのですが,扱いに手間がかかり,長い間お蔵入りをしています。そもそも,子どもにとって「ポンプ」自体,それって何?という存在ではないでしょうか。そこで,最も身近ではないかと思われるポンプ=灯油ポンプを心臓替りにしたモデルを開発しました。 コンセプトは,血液を送り出すポンプの役割,逆止弁の役割,血流の様子を1セットにです。2心房2心室でもなく,体循環・肺循環の別もありません。毛細血管も無しで,大動脈・大静脈1本の単純な構造です。これでも,心臓が縮んだり緩んだりすることで血液が送り出され,また戻ってくる様子を再現できます。 材料は,ペコペット・ジャンボという灯油ポンプ,内径12mmの透明チューブ1m,水道補修用シールテープ,赤血球モデルの赤い人工イクラ(アルギン酸ナトリウム,乳酸カルシウム,絵具),黄色の食紅(血漿の色),布ガムテープなどです。透明チューブが,計ったようにポンプの口にピッタリなのがラッキーでした。片方は若干細いので,シールテープを8回巻きしました。水物工作は水漏れが大敵ですが,ボンドで接着する必要もなく,簡単に組み立てられました。 ポンプの下部に,シールテープを巻いたチューブをねじ込みます。そこに,薄黄色の水と人工イクラを一杯に注ぎ込みます。横の口にホースをねじ込んで,形は完成です。 この状態でポンプ(心臓)を動かしても,液体(血液)は流れません。なぜなら,ポンプ部分に空気が入ったままだからです。ポンプ上部を緩め,蛇口の水流の中でシュポシュポ。モデル全体から空気を抜き去ります。そうすると逆止弁が上手く働き,ポンプを押すごとに血液が送り出されます。その際ホースに触れると,拍動・脈拍を感じることもできます。血液の流れる様子は,赤血球モデルが入っているので良く分かります。心臓に戻ってきた血液は,また心臓の動きによって送り出されていきます。直感的に仕組みを理解しやすいモデルだと思います。 このモデルの問題点かもしれませんが,ポンプを押さなくても、左右に揺するだけで血液がビュンビュン流れていきます。子どもたちは,きっとこの秘密を見つけてしまうでしょう。そこで,組み立てる前か,もう1つポンプを用意しておいて,逆止弁の仕組みと役割を説明しておく必要があります。逆止弁は,血液が逆に流れることを止める物(ぴらぴらした物)と説明すれば,すんなり入ると思います。 これなら1セット700円ぐらいで製作できるので,複数を用意することは可能でしょう。工作も比較的簡単なのでオススメです。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 動物 探究心 901 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
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