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加古川名物,ムクドリの大群と塒(ねぐら)入り

  • 加古川名物,ムクドリの大群と塒(ねぐら)入り

材料

デジカメ スマホ 双眼鏡

内容

・ムクドリの大群の様子を観察する。
・ムクドリが大群で夜を明かす塒を訪れる。
・ムクドリは,塒に入るときも塒から出る時も,群れをなして一斉に動くことが分かる。

詳細

加古川名物?「ムクドリの大群と塒(ねぐら)入り」が見られる,御神木の大銀杏があるショッピングモールの駐車場へ出かけました。 日没の30分ほど前から,小さな集団が塒である「御神木:大銀杏」の上を,何度もグルグルと飛び交っていました。いくつかの集団がどんどん合体していきます。 いつの間にか大きな塊のような大群になって頭上を何度も旋回している様子は圧巻です。圧倒されます。 ツバメの大群もそうでしたが,急に向きを変えてもぶつかることがないのは,近未来の空飛ぶ自動車の自動運転に,是非生かしてほしい能力です。 すぐに塒入りしないのは,敵がいないか確認しているためと言いますが,それにしては長すぎます。もう10分近く飛び交っています。 他の地域の動画では,オオタカが飛来しているにも関わらず,塒入りしていました。みんなが帰ってきて揃うのを待っているわけではないでしょうが,何らかの本能的な儀式なのでしょうか。 何のきっかけもありませんでしたが,いきなり大群が大銀杏の樹冠を覆い尽くすように塒入りしました。 上手く分散して枝にとまっています。混み具合のアンバランスはないようです。それぞれの個体のとまる枝が,大体決まっているのでしょうか。 後から入る小集団は,何の躊躇もなく一発で飛び込んでいます。多くの仲間が安全を確かめてくれているからでしょうか。 大群がとまっているのは樹冠の上半分です。下の方にはほとんどとまっていません。 数千の命を抱く御神木の大銀杏,巨大なムクドリの塒のそばに,ひっそりとスズメのお宿があります。 安全のおこぼれをいただいているようなものです。 飛び交っている時も大きな鳴き声を出していましたが,大銀杏にとまってからは,その鳴き声がさらに大きくなりました。 周りは駐車場です。このような立地条件なので,大した苦情は出ないのでしょう。しかし,お社は糞だらけです。御神木は,完全にムクドリの塒になっています。 他の地域の住宅地では,住民が騒音被害にあっていて,ゲームセンター内に匹敵する大音量だそうです。それが夜遅くまで続くのですから,迷惑以外の何者でもないでしょう。 被害といえば,大量の糞による被害も深刻で,洗濯物が干せないと言います。 ここはボーリング場脇の駐車場内で,近くに住宅がありません。鳴き声被害はないでしょうが,糞の被害は深刻です。御神木の下にはお社と鳥居があります。小さな境内,参道,脇にある通路と駐輪場には,大量の白い糞が撒き散らされています。 屋根付きの駐輪場で避難していると,時折「カン、カン」と音がしました。ムクドリが食べて落とした種のようです。もう少しすると,糞に種が混じることが多くなるそうです。 それを教えてくださったのは,1ヶ月に2回,糞の清掃をしてくださっている方でした。夜明けから初めて3時間もかかるそうです。 清掃後に訪れると流石の仕事ぶりで,糞だらけだったことが全く分からないぐらいに綺麗な通路になっていました。人知れず行われていたプロの仕事に,思わず手を合わせた次第です。 関係機関も手をこまねいてはいられません。大銀杏の上の方までコードが伸びていて,スピーカーから大きな音を出して追い払おうとした形跡があります。しかし,効果はなかったようです。 さて,ムクドリたちは朝,どのようにして塒を飛び立っていくのでしょう。三々五々なのか一斉なのか。早起きをして,夜明け前からスタン張っていました。 到着した夜明け35分前は,昨夕の喧騒が嘘のように静かな物でした。大銀杏に数千羽がとまっているとは思えない静けさです。 夜明け30分前,鳴き声が少し大きくなってきました。 夜明け20分前ごろから,鳴き声が盛んになってきました。ムクドリ達は完全に目覚めたようです。枝と枝の間を飛び交う個体が増えてきました。ムクドリの準備運動,朝のラジオ体操といったところでしょうか。 17分前には,御神木の大銀杏が,激しい動きと大きな鳴き声で,膨らみすぎた風船状態になりました。いつ爆発しても(飛び立っても)おかしくありません。 15分前,そばをカラスが通り過ぎて行きます。カラス達は,もう飛び立っているようです。 11分前,枝先にはムクドリが鈴なりで,今や遅しと,その時を待っています。数羽が飛び立ちました!でも,後に続きません。 そして,いよいよその時がきました。夜明け10分前,いろんな方向に向けて,バラバラと飛び出していきました。と思ったら,戻ってきました。敵でも見かけたのでしょうか。 夜明け5分前,ムクドリの大群が,一斉に群れをなして飛び立ちました。また戻ってくる集団もいましたが,残りの一斉飛び立ちで,全個体が色んな方向へ向かって飛び去っていきました。 ムクドリの大群は,ほぼ一斉に飛び立つことがわかりました。 ムクドリ達の塒である御神木の大銀杏は,もぬけの殻です。ムクドリ達を送り出して,朝焼けの中ひっそりと佇んでいます。  ようやく静かになってので,ゆっくりと眠ることができそうですね。おやすみなさい。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 生命尊重 933 夏秋
夏秋
広場;
広場
普通
普通
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