原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

以心伝心!? 共振振り子 トリプル〜

  • 以心伝心!? 共振振り子 トリプル〜

材料

おもり(100円ショップの加湿ポット) ポリエチレンロープ(3mm) チェーンSカン(No.15) ネオジムフック(L) 超強力マグネット(16mm) 鉄製スタンド

内容

・共振振り子のおもりを3つにすると,揺れがどうなるか調べる。
・振り子の長さが同じ振り子を,3つヒモにぶら下げて揺らす。
・揺れ方のパターンは一通りではないことがわかる。

詳細

No.764の「共振振り子」を子どもたちに見せると,思わず感嘆の声が上がりました。期待通りの反応にほくそ笑んでいると,予想通り,なぜ?どうして?WHY?と説明を求められました。一通り説明するとさらに,おもりが3つになったらどうなるの?という質問が・・・ 切り返して,子どもたちに「どうなると思う?」と問いました。 ①1つが止まって後の2つが揺れる。②真ん中だけ止まって両端が揺れる。③1つずつ順に,揺れて止まってを繰り返す,という予想が出ました。 自信をもってこうなると答えられなかったので,早速作って実験して確かめることにしました。 おもりは,100円ショップの加湿ポット(ドロマイト製で重い)3体,紐は3mmのポリエステルロープ(金剛打ち)80cm1本,30cm3本,チェーンSカン(No.15)2個,ネオジムフック(L)3個,超強力マグネット16mm6個,鉄製スタンド2台です。 スタンドに紐を結んだSカンをひっかけ,そこに振り子をぶら下げました。共振振り子ですから,振り子の長さが等しくなるように調節しました。 トリプル共振振り子の前に,ダブル共振振り子の実験をやってみます。 イヌ・ネコ2体の場合:イヌを静止させておいてネコだけを揺らします。すると,イヌが揺れ始めます。ネコの揺れがだんだん小さくなるに伴って,イヌの揺れがどんどん大きくなっていきます。やがて,ネコは完全に止まってしまいます。そして,今度はまたネコが揺れ出し,イヌの揺れが小さくなって止まる,という動きを繰り返します。 その様子を上から見ると,おもりだけでなく,振り子を吊るしている横ヒモが揺れていることがわかります。ネコが揺れると,ネコがぶら下がっている支点の部分が前後に動いています。その揺れが,反対側の犬の支点に伝わります。その結果,犬が揺れ出すことになります。 左右の横ヒモの揺れは正反対なので,犬の支点の揺れによってネコの支点の揺れを相殺するような力がはたらきます。その結果,しばらくするとネコが完全に止まってしまいます。しかし,その時点を過ぎると,犬から伝わってきた揺れによってネコが再び揺れ始め,揺れはどんどん大きくなっていきます。この一連の動きが繰り返されます。 横ヒモが自由に揺れる構造になっているため,共振が起こることがわかりました。 続いて,ネコ・パンダ・イヌのトリプル振り子で実験してみましょう。 ①右端のネコだけを揺らしてみます。 1体だけが止まったり,2体が止まったり,1体が大きく揺れたり,2体が大きく揺れたりなど,揺れ方にはいくつかのパターンがありますが,左右対称ではありません。 ②真ん中のパンダだけを揺らしてみます。 パンダの揺れが左右のネコとイヌに伝わって,2体同時に揺れが大きくなっていきます。やがてパンダがピタリと止まります。そして再度揺れ始め,左右の2体の揺れが小さくなり,やがて同時に止まってしまいます。このようにパターンは単純で,左右対称な動きを見せます。 面白いのは,真ん中のパンダの振幅が,左右のネコ・イヌの揺れより明らかに大きくなったり小さくなったりすることです。ネコ・イヌの両方から力がはたらくので,振幅の大きさが変化するのでしょう。 ③左端の犬だけを揺らしてみます。 揺れには,ネコと同じいくつかのパターンがあります。その動きは,ネコの場合と左右対称になっていることがわかります。 ④ネコとパンダの2体を同時に揺らしてみます。イヌも揺れるようになりますが,1体だけを揺らしたのとは違ったパターンの揺れが見られます。 ⑤イヌとパンダの2体を同時に揺らしても,ネコ・パンダの揺れのパターンと左右対称な揺れが見られます。 ⑥左右のネコ・イヌ2体を同時に揺らすと,真ん中のパンダ1体だけを揺らした場合と同じパターンの揺れが見られました。 ②と⑥なら説明しやすいのですが,他のトリプル共振振り子の動きを説明するには,揺れのパターンが多すぎます。いずれにしても,揺れのパターンの変化は複雑で,簡単には説明できないことがわかりました。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 運動 エネルギー 探究心 937 春夏秋冬
春夏秋冬
室内;
室内
普通
普通
前のページへ戻る