振り子実験器 ストップウォッチ タブレット
・振り子の周期と振幅との関係を調べる。
・振れ幅を60°以上に大きくした場合の周期を計測する。
・振幅が大きくなると,周期が僅かに長くなることがわかる。
小学5年生に『ふりこのきまり』という単元があります。『ふりこが1往復する時間は,おもりの重さやふれはばを変えても変わらない。ふりこの長さを変えると変わる。』ということを,実験結果から導き出します。 『ふれはばの条件』は,令和5年と平成31年度検定の教科書では,『ふれはば:10°,20°,30°』,平成26年度では『ふれはば:15°,30°』,平成22年度以前では『ふれはば:10cm,20cm』,『角度:30°以内』と,周期が1.4秒になる小さな角度に設定されています。 しかし,私はあえて,『ふれはば:30°と60°』で実験させています。実験の順番も,1番目に『おもりの重さ』,2番目に『ふりこの長さ』を変えて実験させます。この2つの実験で,しっかりと実験スキルを高めさせておくためです。 動画のように,「1,2,3,・・・」と,回数をシャープにカウントさせることで,より正確に計時することができます。 振り子の長さ50cmで『ふれはば:30°と60°』に変えて実験をさせると,周期がそれぞれ『1.4秒と1.5秒』になり,0.1秒の差が出ます。 そこで児童に「『ふれはばを変えても1往復する時間は変わらない』と教科書に書いてあるけれど,実験結果に自信がある?」と問いかけると,「自信がある!教科書が間違っている!」と口々に訴えてきます。そこで,なぜ周期が変わったのかを考察させます。でも,理由を説明できる児童がいるはずもありません。酷な課題かもしれません。 しかし,誰かが『教科書のふれはばが10°,20°,30°』になっていることに気づきます。そして,理由はわからないけれど,「ふれはばが大きくなると,1往復する時間が少しだけ長くなるのだ」と結論づけることができました。 高校物理で『単振り子』を調べると,振れ幅が十分に小さいとき,おもりの動きは近似的に,一直線上での往復運動とみなすことができる。よって,振幅の小さな単振り子の場合,周期は近似的に『T=2π√L/g』となる。そして,振り子の周期は,振幅によらず一定である。これを『振り子の等時性』というと,明記されています。言い換えると,振れ幅を大きくすると,周期がわずかに長くなるということです。 そこで,「あなた達の実験スキルは素晴らしい!高校物理レベルだ!」と,児童を褒めまくりました。ほとんどの大人が知らない物理の真実を,小学5年生が協力して実験結果から導き出したという自信と達成感を,児童に味わわせたかったのです。 まとめとして,小学校レベルでは『1往復する時間は,ふれはばを変えても変わらない』けれど,高校物理レベルでは『わずかに長くなる場合がある』とすることにしています。 その後で,周期が1.5秒に変わる振れ幅(角度)を見つけるために,時間内で,班ごとに手分けして実験させました。(10°20°40°50°70°80°90°) ストップウォッチは1/100秒タイプです。そうすると,10°~50°の周期は1.4秒,60°~80°は1.5秒,そして90°では,1.6秒になることを,伝統的に毎年確認させることができています。 最後に『ガリレオランプ2種』の画像を見せて,このランプが風などで60°も振れることはないだろうと確認させました。そして,『振り子の等時性』を発見したガリレオが,周期を脈拍で測ったことも知らせます。「ガリレオさんも90°で実験しただろうけれど,脈拍では0.1秒の差を出すことはできなかっただろう。」と,児童を納得させることができました。 Pendulum period Pendulum isochronism Pendulum amplitude effect Pendulum physics experiment Pendulum length and period Pendulum motion in physics Galileo’s pendulum experiment Elementary school pendulum study Small angle approximation in pendulums
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|---|---|---|---|---|
物理 | 運動 | 探究心 | 979 | 春夏秋冬
![]() ![]() ![]() ![]() |
室内;![]() |
普通
![]() ![]() ![]() |
普通
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |