原体験コラム一覧
科学実験データ一覧

旅の途中 摩耶山天上寺に集結するアサギマダラ

  • 旅の途中 摩耶山天上寺に集結するアサギマダラ

材料

撮影機材

内容

・アサギマダラと対面する。
・フジバカマが植栽されている天上寺などを訪れる。
・翅の浅葱色,雌雄の別,マーキングなどを確認することができる。

詳細

『摩耶天空之庭』を手がけた友人の三谷景一郎氏に誘われて,摩耶山に秋の到来を告げる『アサギマダラ』と初めて対面すべく,天上寺を訪れました。神戸新聞では「旅するチョウ ふわり秋」と題して,副住職さんの思いも紹介されていました。 最初のビューポイントは,トイレ横。雨後の霧がかかる状況だったので,蝶も人も少なめでした。本命の『延命地蔵尊』脇では気温が26℃。霧が残っていたためか,20数頭しか目にできませんでした。多くは森に避難しているのでしょうか。 優雅で気品のある姿に似合わず,忙しなく蜜を吸っています。 翅の白く見える部分は鱗粉が少なく? 半透明になっています。前翅の白っぽい部分が,名前の由来である『浅葱(あさぎ)色』に輝いています。でも胸部は,いかにも毒々しい(体内にアルカロイドを蓄積)です。 他のチョウにない特徴は,とても人慣れしていることです。そのお陰で,すぐそばまで近寄って撮ることができます。そこで,オオムラサキのように手乗りにできるかやってみました。半分成功。でも,ちょっとヒンシュクものだったかもしれませんね。 三谷氏からの「アサギマダラが山を登ってくる」という情報を確かめようと,六甲山ドライブウェイの途中で車を降りました。すぐに,六甲山方面へ飛んでいくアサギマダラの姿を捉えることができました。でも,そっちは逆方向だよ。植栽されている?ブッドレアの蜜を吸った後,いざ摩耶山へ。もう一息だよ〜頑張って〜 別の個体も優雅な滑空を交えながら,天上寺を目指して飛び去って行きました。 おそらく最盛期の別日,曇天で気温は26.8℃。地蔵尊脇には,80頭以上のアサギマダラが集結していました。飛び交うことはあまりなく,みんな一心不乱に吸蜜しています。 人慣れしているとはいうものの,人が側を歩くと驚いて飛び立ち,乱舞が楽しめます。スローで撮ると,羽ばたくだけでなく,羽を80〜110°ぐらいに開いて風に乗っていることがわかります。 オスとメスは,後翅下部の黒っぽい斑紋の有無で見分けます。斑紋ありがオス,無しがメスです。メスの数がとても少なく,80頭中5頭しかいませんでした。すでに交尾済みなのでしょうか。吸蜜最優先という感じで,隣の異性には目もくれません。 許可を得て,マーキングの現場をミニ取材させてもらいました。マーク,時刻,性別,鮮度,前翅長,破損などを記録します。翅の裏に,油性マジックでマークを書き記して放します。別の場所でマークされた個体は,まだ見つけていないそうです。情報は,コミュニティーサイトで交流できるということでした。 参道横の道沿いにある植え込み横を,わざと通り過ぎました。パッと場が華やぎます。やはり,飛び交う姿を見るのがアサギマダラの醍醐味です。 たっぷり吸蜜したあと,上昇気流に乗って淡路島,四国へ渡り,最終的には沖縄や台湾を目指すそうです。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 動物 生態 探究心 988
秋
山;
山
難しい
少し危険
前のページへ戻る